DeNA TechCon 2017 開催レポート【2】

こんにちは。ゲーム事業本部開発基盤部の池田です。

去る2月10日、DeNAは技術カンファレンス「DeNA TechCon2017」を開催しました。
公開可能な資料については、公式サイトのスケジュール画面からリンクしておりますので、まだチェックしていないという方は是非ご覧ください。
追って、各セッションの動画もアップ予定です。

本記事は、この「DeNA TechCon2017」振り返り記事の第2弾となります。

今回は特に、DeNAの新たなチャレンジ領域である AI 分野について、Aステージで筆者が聴講した以下の3講演について取り上げます:

  • 基調講演:「実世界の人工知能」株式会社Preferred Networks岡野原大輔様
  • 「強化学習を利用した自律型GameAIの取り組み〜高速自動プレイによるステージ設計支援〜」MASHIKO RYOSUKE, SEKIYA EIJI
  • 「DeNA AIシステム部におけるクラウドを活用した機械学習基盤の構築」SEO NAOTOSHI

基調講演―実世界の人工知能

基調講演では、株式会社Preferred Networks岡野原大輔氏が登壇しました。

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講演の前半では、畳み込みニューラルネットワークが近年の研究でどのように複雑に進化し、ディープラーニング(深層学習)と呼ばれるようになったかを解説しました。
深層学習で使われる畳み込みニューラルネットワークでは、ネットワークの層数やニューロン数が、それまでのものより桁違いに多くなっています。

この深層ニューラルネットワークが、現在、様々な分野で応用されつつあります。

講演では、応用分野として「自動車」「ロボット」「異常検知」「バイオ・ヘルスケア」「コミュニケーション」「クリエーター」といった分野における取り組みについて取り上げられました。

特に、「クリエーター」分野においては、線画にいい感じに着色する PaintsChainer が最近インターネットなどで話題になったことは、記憶に新しいのではないでしょうか。

結びとしては、深層学習・教科学習の進化は著しく、研究段階から実用化・ビジネス化チームが付き添うことが大事と締め括られました。

強化学習を利用した自律型GameAIの取り組み〜高速自動プレイによるステージ設計支援〜

こちらのセッションは前半・後半の2部構成でした。

前半では、強化学習そのものについてAIシステム部SEKIYA EIJIが発表しました。
まず、強化学習の仕組みについて簡単な解説をした後、2014年に登場した新手法であるDeep Q-Networksの概要を示しました。
次に、強化学習に関する最新の動向として、NIPS 2016で発表されたDeepMind LabやOpenAI Universeなどについて取り上げました。

後半では、強化学習の利用例として、FINAL FANTASY Record Keeperにおける自律型GameAIの活用事例について、同じくAIシステム部のMASHIKO RYOSUKEが発表しました。

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FINAL FANTASY Record Keeperでは、ボスのパラメータ調整を行うため、バトルを自動プレイするAIに対するニーズがありました。

このバトルAIの行動決定アルゴリズムとして、探索的アプローチであるMonte Carlo Tree Searchと、ニューラルネットを用いたアプローチであるNEAT, Q-learningを適用した結果が比較解説されました。
結果として、ニューラルネットを用いた方法において、学習時間が掛かるなど課題はあるものの、人がプレイする場合と遜色ないレベルでの勝率を達成することができました。

講演の最後では、ゲームへのAI活用のポイントとして、ゲームシステムの設計段階でどこまでAIを利用するか考慮し、シミュレータやデータ形式を用意しておくことの重要性が挙げられました。

DeNA AIシステム部におけるクラウドを活用した機械学習基盤の構築

AIシステム部のSEO NAOTOSHIは、DeNAにおけるクラウドを活用した機械学習システム基盤の構築について発表しました。

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DeNAの機械学習システムのインフラ面においては、「潤沢なGPU」「隔離された環境」「素早い構築」「運用が楽」「自由度を高く」「ミスが起きにくい」という6つの要素が求められていました。
本発表では、これらの要素一つひとつを達成するために、AWSやGCPを活用したインフラ環境の構築方法について示しました。
例えば、「素早い構築」については、TerraformやItamaeといったツールを活用し、AWS, GCPの両方に対応した環境構築をコード化していることが語られました。

発表の後半には、GPU学習環境をオンデマンドでスケールさせるために整備したツールや、APIサービス環境の構成が取り上げられました。
GPU環境をスケールさせるための内製ツール「ec2-scale-run」の中ではDockerが活用されています。このツールでは、使われなくなったインスタンスを再利用し、また不要になったら確実にシャットダウンする仕組みがあることが説明されました。

結びに

本記事を通して、DeNAがAI分野においてどのようなチャレンジ・取り組みをしているか、少しでも伝われば幸いに思います。

余談ですが、Aステージの講演では社員によるグラフィックレコーディングがリアルタイムに行われ、完成したものは展示スペースに貼り出されました。

下の写真は、基調講演のグラフィックレコードとなります。

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次回の記事でも引き続き、発表されたセッションの模様を紹介していく予定です。
お楽しみに!

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